2023年6月号
目指せ!2050年までに二酸化炭素の排出「0」
東京都は、2050年に二酸化炭素排出実質ゼロにする「ゼロエミッション東京」を宣言しています。東京の二酸化炭素排出量の3分の1は家庭でエネルギーを使うことによって排出されています。東京都は、企業の協力も得て、大規模な建物を中心に排出削減の取り組みを実施し、一定の成果を得てきました。一方、「家庭部門」と呼ばれる家庭からの二酸化炭素の排出量は世帯数の増加等もあり、なかなか下がっていないのが現状です。2050年ゼロエミッション東京の達成に向けて、家庭の協力は欠かせません。
東京都は電力を「HTT(Hへらす、Tつくる、Tためる)」をキーワードに、取り組みを進めています。
考えてみよう!家でもできる「Hへらす」
皆さんの家ですぐにもできる「Hへらす」取り組みがあります。夏の暑い日にカーテンを開けたまま外出すると部屋の温度がとても暑くなっていることに気づくと思います。暑さや寒さは、実は窓からやってきます。日よけや緑のカーテンなどで窓をおおうだけで、日差しが遮られ、冷房効果が高まります。外出時にカーテンを閉めることも効果的です。そのほか、窓を二重にする工事をしたり、ガラスに断熱シートを貼ったりして、外からの熱が入りにくくするのも効果があります。
東京都の家庭の電気は、電化製品でみると、照明、冷蔵庫、テレビ、エアコンなどの消費量が高くなっています。
みなさんのおうちにあるエアコンや冷蔵庫は、何年使っていますか? 10年前と比べると、機種によっては、最新のものに買いかえることにより、冷蔵庫は年間消費電力量が150kWh以上減らすことができ、年間電気代で約5,000円以上お得になります。電気温水器を使っているなら、空気の熱を利用して水を温める「エコキュート」やガスでお湯をつくる「エコジョーズ」にすると、エネルギー消費量を3分の1程度まで減らせます。照明器具も蛍光灯からLEDにかえると、年間の電気代が約2,000円お得になります。
なお、東京都では、省エネ効果の高いエアコン、冷蔵庫などに買いかえた人は、ポイントに応じて商品券などを受け取ることができる事業を実施しています(東京ゼロエミポイント)。
簡単にできる!家の中の「Hへらす」アクション
▶︎冷房時の室温は28℃をめやすとする
▶︎エアコンのフィルターをこまめにそうじする
▶︎夏は冷蔵庫の庫内温度を「強」から「中」にする
▶︎冬以外は便座の暖房、温水洗浄の温度設定を切る
▶︎省エネルギー性能が高い家電に買いかえる
▶︎熱が伝わりにくい窓にかえる
▶︎節水型シャワーヘッドを使う
▶︎電気の契約を見直して節約!
▶︎自宅に太陽光パネルと蓄電池をとりつける
このほか、東京都は自動車について、2050年に向けて、走っている時に
二酸化炭素を出さない電気自動車などのゼロエミッションビークル(ZEV)にしていくことを目指しています。
さらに東京都は、2050年に向け、CO2実質ゼロのプラスチック利用、食品ロスの実質ゼロなども目指しています。
電気代を節約!災害時も役に立つ!
家庭で「Tつくる、Tためる」
太陽光発電があれば電気を「Tつくる」ことができます。
また、太陽光で発電した電気を蓄電池に「Tためて」使うことで、電気代の節約になるだけでなく、予期せぬ停電や災害の時も困らずに電気を使うことができます。「東京ソーラー屋根台帳」というホームページを見ると、皆さんの家が、どのくらい太陽光発電に適しているのかがひと目で分かります。自分の住む家はどうなのか、家族の人と調べてみましょう。
また、電気自動車は一般家庭で必要な電力量の2~4日分をためることができます。このため、大規模な災害が起きた時に、電気自動車や燃料電池自動車などのZEVを利用すると、停電になっても電気を使うことができます。こうした意味でも東京都はZEVをさらに広げようとしています。