東京2020オリンピック・パラリンピックをふり返る
～選手せんしゅ・ボランティアの活躍かつやくと未来みらいへつなぐレガシー～

大会から１年！選手せんしゅや、大会をささえたボランティアたちの活躍かつやくをふり返るとともに、活用が進む東京都のスポーツ施設しせつについて紹介しょうかいします。

オリンピック卓球たっきゅうで３つのメダルを獲得かくとくした伊藤いとう美誠みま選手せんしゅへのスペシャルインタビューも大公開！

東京でオリンピック・パラリンピック
どんな大会だったの？

今から１年前の夏。東京でオリンピック・パラリンピックが開催かいさいされました。東京は1964年にも大会の舞台ぶたいとなっており、57年ぶり２回目の開催かいさいです。新型しんがたコロナウイルス感染症かんせんしょうの影響えいきょうで１年延期えんきとなったものの、世界中から集まった選手せんしゅたちが熱あつい戦たたかいをくり広げ、人びとに大きな感動をあたえました。史上最多しじょうさいたとなった女子選手せんしゅの割合わりあい、バリアフリーを考えて整備せいびされた施設しせつ、リサイクルされた金属きんぞくからつくられたメダルなど、多様性たようせいdや環かん境きょうを大切にする大会としても注目を集めました。

大活躍かつやく！ 日本選手団せんしゅだん

オリンピックでは、日本は史上最多しじょうさいたの58個このメダルを獲得かくとくしました。新しく競技きょうぎに加くわわった空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンで多くの日本人選手せんしゅが活躍かつやくし、スケートボードでは日本史上最年少しじょうさいねんしょうとなる12歳さいのメダリストも誕生たんじょうしました。また、アメリカとの激闘げきとうを制せいして金メダルを獲得かくとくした女子ソフトボールをはじめ、男子野球、卓球たっきゅうの混合こんごうダブルスなど、団体だんたいやペアの競技きょうぎも 盛もり上あがりました。

東京2020オリンピック・パラリンピックにまつわるデータ

卓球たっきゅうの伊藤いとう美誠みま選手せんしゅにインタビュー!

東京2020オリンピックで、混合こんごうダブルスで金、女子団体だんたいで銀、女子シングルスで銅どうの３個このメダルを獲得かくとくした卓球たっきゅうの伊藤いとう美誠みま選手せんしゅ。夢ゆめを叶かなえるために大切にしていることを聞きました。

2020大会は東京での開催かいさい。特別とくべつな思いは？

シングルスの銅どうメダルで流した悔くやし涙なみだが印象的いんしょうてきでした。

混合こんごうダブルスの翌日よくじつにシングルスがあったので、睡眠すいみん時間が短くて、状態じょうたいはかなり辛つらかったです。決勝で日本VS中国ちゅうごくなら盛もり上あがったのに、私わたしが負けたために決勝は中国選手ちゅうごくせんしゅ同士どうしの対決に。そう思ったら悔くやし涙なみだがこぼれました。

オリンピックを通して得えた学びは？

実は、オリンピック後の４か月ほど目標もくひょうが掲かかげられず、悩なやみに悩なやみました。「次はパリオリンピック」とすぐに切きり替かえられると思うかもしれませんが、目標もくひょうを決めるには気持ちも覚悟かくごもいる。そんな簡単かんたんに決められるものじゃないんです。

でも、オリンピック後の試合しあいで気持ちが入りきれない状態じょうたいが続つづき、「大きな目標もくひょうがないからだ」と気づいたんです。そこで初はじめて「パリオリンピックでシングルス優勝ゆうしょう」という目標もくひょうを決め、そこから試合しあいを楽しめるようになりました。「人は大きな目標もくひょうがあるからこそ、目の前の小さなことにも頑張がんばれるんだ！」と学びました。

好すきなものをやり抜ぬくうえで、大切なことは？

卓球たっきゅう選手せんしゅだった母からサポートも受けましたが、卓球たっきゅうを始めたのも、オリンピックを目指すと決めたのも全て私わたし。母から「卓球たっきゅうをやったら？」と言われたことは一度もありません。

スポーツであれば、試合しあいに出場して、勝ちたいと思うのか。中学受験じゅけんなら、本当にその学校に行きたいと思うのか。親に言われたからではなく、まずは自分がどうしたいのかと強く思わないと頑張がんばるのは難むずかしい。自分の気持ちに嘘うそをつかないことが大事だと思います。

厳きびしい練習はどのように乗のり越こえられるか？

今は、自分への「ご褒美ほうび」を決めるようにしています。この海外遠征えんせいが終わって帰国したら、「お寿司すしやお肉を食べに行こう」「洋服を買おう」と、インスタグラムで検索けんさくしています（笑）。「頑張がんばったら、ご褒美ほうびが待っている！」とモチベーションを上げています。

大事な本番で、自分の能力のうりょくを引き出すためには？

私わたしは、大舞台おおぶたいが大好だいすきなんです。予想外の展開てんかいが自分のほうに転がったら楽しいじゃないですか。不安ふあんや怖こわさよりも、「自分にプラスのことが起きる！」とポジティブに考えること。習い事でも受験じゅけんでも、本番の大舞台おおぶたいこそワクワク感を楽しんだ方が勝ちです。

私わたしも夢ゆめに向かって頑張がんばるので、みなさんも一緒いっしょに頑張がんばりましょう！

取材協力しゅざいきょうりょく：関西卓球かんさいたっきゅうアカデミー

どんな人たちが大会をささえたの？

大会での選手せんしゅたちの活躍かつやくは、世界中の人びとに夢ゆめや希望きぼうをあたえ、わたしたちにスポーツの楽しさや、目標もくひょうに向けて努力どりょくすることの大切さなどを教えてくれました。

そんなオリンピック・パラリンピックを東京で開催かいさいできたのは、大会スタッフやボランティアなど、多くの人の努力どりょくと協力きょうりょくがあったからです。会場などの建設けんせつにかかわる人、選手せんしゅたちの健康けんこうや安全を守る人、料理りょうりをつくる人、通訳つうやくをする人、必要ひつような物を運ぶ人など、さまざまな職業しょくぎょうの人が関かかわりました。また、約やく８万人のボランティアたちは、選手せんしゅの歓迎かんげいや競技きょうぎの準備じゅんび、清掃せいそうなど、多くの場面で大会をささえました。

自分ががんばりたいこと・自分にできることってなんだろう？

だれもがオリンピック・パラリンピックで活躍かつやくするような選手せんしゅになれるわけではありません。運動が苦手という人や、他のことに興味きょうみがある人もいますよね。ですが、目標もくひょうに向けて努力どりょくをつづけることは、だれにとっても大切なことです。また、ボランティアのように、他の人や社会のために活動することも、選手せんしゅとして活躍かつやくするのと同じようにすばらしいことです。みなさんも自分ががんばりたいことはなにか、自分にできることはなにか、考えたり、友だちと話し合ったりしてみましょう。

大会の舞台ぶたいでスポーツに挑戦ちょうせん！活用が進む大会のレガシー

オリンピック・パラリンピックは、「開催かいさいして終わり」ではありません。東京都では、整備せいびしたまちや施設しせつ、スポーツに親しむくらし、ボランティア精神せいしんなど、大会の残のこしたもの（レガシー）を活かし、発展はってんさせるためのさまざまな取り組みをしています。

このうち今大会にあわせて新しくつくられた都のスポーツ施設しせつは、2022年8月現在げんざい、５か所がスポーツ大会の会場として、また、都民とみんがスポーツに親しむ場などとして活用が進んでいます。アーチェリーやホッケー、カヌーなど、ほかの場所ではなかなかできないスポーツも体験たいけんできますよ。大会を観戦かんせんして「新しいスポーツに挑戦ちょうせんしてみたい！」「スポーツを間近で見てみたい！」と思ったキミ。さっそく、それぞれの施設しせつのホームページをチェックしてみましょう！

活用が進む都の新しいスポーツ施設しせつ

施設名	施設の概要
有あり明あけアリーナ	さまざまなスポーツの大会が開かれるほか、コンサートやイベントの会場、都と民みんのスポーツの場としても使われる。
海うみの森もり水すい上じょう競きょう技ぎ場	ボートやカヌー、トライアスロン、ドラゴンボートなどの練習や、大会の会場として使われる。さまざまな水上スポーツ体たい験けんやヨガなどのフィットネス体たい験けんもできる。
カヌー・ スラロームセンター	カヌーをはじめとする水上スポーツの練習場や、大会の会場として使われる。水上スポーツを体たい験けんできるイベントも開かい催さい。
夢ゆめの島しま公こう園えん アーチェリー場	アーチェリーなどの大会や、レクリエーションなどで使用できる。大会などがないときには、広い芝しば生ふで自由に遊ぶことができる。
大おお井いふ頭とう中ちゅう央おう海かい浜ひん公こう園えん ホッケー競きょう技ぎ場	ホッケー大会の会場や練習場となる。都と民みんがホッケーやフットサル、ラクロスなどを楽しむ場としても使われる。