2024年4月号
空飛ぶクルマもいよいよ登場! 未来の街はどうなる?
未来の乗り物というと、みなさんはどんな映像が頭に浮かびますか? 未来を舞台にしたSF映画やマンガではよく、空を飛ぶクルマが出てきますね。そんな想像の世界が、すぐ近くに迫っています。4月27日から5月26日にかけて東京ベイエリアで開催される「SusHi Tech Tokyo 2024(スシテック東京 2024) ショーケースプログラム」では、「2050年の東京」を感じることができる企画や、空飛ぶクルマの展示・さまざまな 未来のモビリティ(乗り物)の体験ができます。また、空飛ぶクルマよりひと足先に、人ではなくシステムが運転する「自動運転」の技術も着々と進んでいます。
車の「自動運転」がいよいよ本格化
自動運転は、自動化のレベルによって全部で6段階に分けられています。レベル0から2は運転の主体が人間で、レベル3から5は運転の主体がシステムです。このうち、特定の条件が満たされていれば、システムが全ての運転を行う「レベル4」の自動運転が目前に迫っており、いろいろな会社がシステムに使う技術の高度化に取り組んでいます。自動運転が実現することで、人手不足に悩むバスやタクシーの代わりになるだけでなく、子どもからお年寄り、障害のある人もない人も、便利で自由に移動することができるようになります。
そこで、東京都では、国と協力しながら、自動運転の車が安全に走れるように東京の道路を実証走行ができるように提供して、技術を高めるための後押しをしています。また、自動運転の車を体験したり、「自動運転って何だろう」「自動運転が実現することでどんなよいことがあるの」ということを多くの人にわかってもらえるようなイベントを行う場合に、その費用を支援する新たな取り組みを進めています。
東京都では、こうした自動運転の時代を考え、都心よりも人口が少ない西側の地域でも、学校、病院やスーパーなどの施設と人が住む地域を結ぶ自動運転サービスの普及を目指しています。そして都市部でも、正確に、たくさんのお客さんを運ぶ自動運転バスを走らせることを目標にしています。
続いてやってくる「空飛ぶクルマ」の時代
自動運転とあわせて今後注目したいのが、「空飛ぶクルマ」。空飛ぶクルマと言うと、みなさんはヘリコプターや飛行機を思い浮かべるかもしれませんが、もっと気軽にタクシーのように乗れるモビリティが、いままさに世の中に登場しようとしています。
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では、「空飛ぶクルマ」は今、どこまで開発が進んでいるのでしょうか。今、開発されている空飛ぶクルマは、プロペラをいくつかつけたドローンを大型化したようなものが多く、人間を乗せるための実証実験が始まっています。
空飛ぶクルマを開発しているVolocopter社は、2011年に設立されました。これまでに日本だけでなく、フランス、シンガポール、アメリカなど世界各地で合計2000回を超える試験飛行を重ねて、安全性をさらに高めていこうとしています。
そして、2025年にはついに空飛ぶクルマが実際にお客さんを運ぶ計画が進んでいます。飛行をめざしているのは、2人乗りの「VoloCity」という空飛ぶクルマです。機体は真上への離発着が可能で、フル充電で最長約35キロメートルの距離を飛ぶことができます。パイロットが機体を操縦し、お客さんを1人乗せることができます。人を乗せて飛ぶことがうまくいけば、空飛ぶクルマの実用化はさらに近づいてきます。私たちが空飛ぶクルマに乗れるようになるのもそんなに遠い未来のことではないでしょう。
空飛ぶクルマの運用が始まると、主要都市や観光地などを結ぶ定期路線も整備され、渋滞を気にせず空からの観光を楽しめるようになります。空飛ぶクルマにはこのように都市生活を便利にすることに加え、地域が抱えるさまざまな「社会課題」を解決することも期待されています。
まずは離島や山の中など、移動に時間がかかるところへ荷物を運ぶサービスが始まります。
人が乗れるようになると、大地震や山崩れなどの災害で道が通れなくても、空飛ぶクルマなら行くことができます。道がガタガタで救急車が入れなかったり、時間がかかり過ぎたりしそうな時に、「空飛ぶ救急車」としての活躍も期待できるでしょう。
東京都は2030年以降に、人や荷物を運ぶ輸送サービスが本格化し、飛行機よりも手軽に利用できるようになることを目指しています。
自動運転車が増えてくると、都市部でも人口が少ない地域でも、より安全に手軽に交通機関を利用することができるようになります。それだけでなく、自動運転時代に向けて道路が整備され、街の風景も将来は大きく変わってくる可能性があります。みなさんが大人になった2040年代以降になると、日本全国あちこちで自動運転車がたくさん走り、主要な都市や観光地は空飛ぶクルマが飛んでいる――そんな時代が訪れているかもしれません。
空飛ぶクルマも展示!
SusHi Tech Tokyo 2024 ショーケースプログラム
「SusHi Tech Tokyo 2024 ショーケースプログラム」は、さまざまな新しい技術の体験を通じて「2050年の東京」を感じることができるイベントです。スポーツやダンス、ゲーム、最新のモビリティ(乗り物)、食べ物などさまざまな 未来体験ができます。
有明アリーナでは、飛行試験に成功した1人乗りの空飛ぶクルマ「SD-03」(SkyDrive社)が展示され、間近に見て、運転席に乗り込む体験ができます(展示のみで、実際には飛びません)。
また、電車に乗るように気軽に宇宙へ行ける夢の「宇宙エレベーター」に乗り込む体験もできるほか、人が乗って動かす搭乗操作型ロボット「THE ARCHAX」(ツバメインダストリ社)の展示やデモンストレーションもあります。
シンボルプロムナード公園では、小型の電動バイクや、両手が自由に使える着座型ハンズフリーパーソナルモビリティ、立ち乗り型の三輪モビリティなどがあり、だれでも次世代のモビリティを自由に楽しむことができます。
このほか、日本科学未来館でも日本の伝統と革新を組み合わせた次世代のモビリティが展示されます。ぜひ、ひと足先に 未来のモビリティを体験しに行ってみてください。
❖SusHi Tech Tokyo 2024 ショーケースプログラム会場
・日本科学未来館 4月27日(土)~5月26日(日) ※ 5月7日(火)、5月14日(火)休館
・シンボルプロムナード公園 5月12日(日)~5月26日(日)
・海の森エリア 5月12日(日)~5月21日(火)
・有明アリーナ 5月17日(金)~5月21日(火)
❖展示予定
・最新モビリティなど (日本科学未来館、シンボルプロムナード公園、海の森エリア、有明アリーナ)
・空飛ぶクルマ (日本科学未来館、海の森エリア、有明アリーナ)
👉「『 未来の東京』戦略version up 2024」を見てみよう
明るい未来の東京を切り拓くための、「都政の羅針盤」である『未来の東京』戦略の最新版、「version up 2024」では、次世代モビリティを加速化させる取り組みが記載されているので、こちらも確認してみよう。
取材協力=東京都政策企画局、都市整備局、港湾局