2025年4月号
世界陸上が東京で開催!国立競技場で世界大会を応援しよう

世界の陸上競技トップ選手たちが競う「東京2025世界陸上」が、今年9月13日(土)から21日(日)まで、東京を舞台に開催されます。世界陸上(世界陸上競技選手権大会)は、陸上競技としてはオリンピックと並ぶ最高レベルの世界大会で、2年に一度開かれます。
日本では、1991年(東京)、2007年(大阪)に続いて3回目。東京は34年ぶりです。やり投の北口榛花選手や短距離走の桐生祥秀選手、サニブラウン アブデルハキーム選手、中長距離走の田中希実選手など、多くの日本選手の活躍も期待されています。 みんなで大会を盛り上げるために、世界陸上観戦の豆知識や、陸上競技を楽しむヒントもあわせてお届けします!
世界最高レベルの陸上競技選手権大会が東京にやってくる
東京2025世界陸上は、明治神宮外苑の国立競技場(新宿区)で開催されます。世界約200か国・地域から約2000人の選手が参加。9日間にわたって、49種目が競われます。

大会を象徴するロゴは、ワールドアスレティックス(世界陸連)のロゴにも共通するおうぎ形の中に、東京を意味する都市コード(アルファベット3文字で示される世界共通の都市の記号)「TYO」をもとに、世界のアスリート、日本、東京が結びつくストライプ(しま模様)が組み込まれました。ストライプは、陸上トラックのレーンも表しています。

また、大会のマスコットは、小学生とのワークショップを通して、日本を代表する犬種である「柴犬」をもとにデザインされました。名前は一般投票で一番人気だった「りくワン」。陸上を表す「りく」と、1位、1秒、1歩、1投、1跳躍などの「One(ワン)」を組み合わせた名前です。犬の鳴き声の「ワン」にもかかっています。りくワンは、みなさんと一緒に東京2025世界陸上を盛り上げていきます!

世界陸上、見どころはここ!
それではここから、りくワンと一緒に、世界陸上の見どころと、豆知識を紹介していきます。

🚩東京の名所をぐるり!都心をかけぬける「マラソン」
世界陸上49種目の中で走る距離が最も長い42.195 キロのマラソンは、大会2日目の9月14日(日)に女子、3日目の9月15日(月・祝)に男子のレースが行われます。
世界陸上では、秋葉原、銀座、皇居など外国人観光客にも人気の観光スポットをめぐるコースになりました。東京のすばらしさを世界に知ってもらう機会になりそうですね。

💡マラソン観戦の豆知識
長距離走では、選手が集団で走っている時に、スピードを上げて集団から飛び出すことを「スパートする」といいます。選手はゴールまでどのくらいの距離になった時にスパートすれば自分が一着になれそうかを考えながら走り、「今がその時だ!」と思った時に飛び出します。

選手によって得意な走り方が違うので、最後の最後に猛ダッシュをして一着になることをねらう選手もいれば、早めにスパートして少しずつライバルを引き離そうとする選手もいます。どの選手の作戦が成功するかを想像しながら観戦するのも、マラソン観戦の楽しみ方の一つです。
🚩最も「厳しくて難しい」競技って?
陸上競技で最も「厳しくて難しい」と言われているのは、男子の「十種競技」、女子の「七種競技」。2日間で「走る、跳ぶ、投げる」の10種目(※1)や7種目(※2)に挑む競技です。
幅広い能力を発揮しなければならないため、試合はもちろん、日々の練習もとても大変。この競技の優勝者は「キング・オブ・アスリート(陸上選手の王様)」「クイーン・オブ・アスリート(陸上選手の女王)」と、たたえられます。
今回は、七種競技は9月19日(金)から、十種競技は20日(土)から、大会をしめくくる最後の3日間にわたって行われます。大注目ですね!

※1 1日目は100 メートル走、走幅跳、砲丸投、走高跳、400 メートル走、2日目は110メートルハードル、円盤投、棒高跳、やり投、1500 メートル走の10種目を行い、総合得点で競います。
※2 1日目は100メートルハードル、走高跳、砲丸投、200メートル走、2日目は走幅跳、やり投、800メートル走を行い、十種競技と同じく、総合得点で競います。
🚩9日間で49種目 盛りだくさんの競技の楽しみ方
世界陸上の競技は、広いグラウンドをいっぱいに使って、さまざまな競技が同時に行われるのも見どころの一つ。
世界陸上を会場で見ると、選手の真剣勝負や、たくさんの記録が生まれる迫力のある雰囲気を目の前で味わえます。
そして今大会は、選手の出した記録や、走っているスピードなどを自動で測って、大型ビジョンに映し出す最新の技術も使われます。テレビで応援する人も楽しく観戦できるようになっているそうですよ。

東京都のウェブサイトでは、選手の紹介をしています。競技や出場選手のことを知って、ぜひ一緒に応援しましょう。
スポーツで自分の可能性を広げよう
ところでみなさんは、体を動かすことは好きですか?運動が得意な人も得意ではない人も、意識して体を動かしてみましょう。

💡短距離走を速く走るコツ
速く走るコツ、それは「まっすぐ前を向いて、力を抜いてリラックスした状態で腕をふって走ること」
下を向くと体が縮こまってしまうし、逆に上を向いたりアゴが上がってしまうと体が反り返り、どちらも力を出し切れなくなります。前を向いて、自分が走っていく方向をしっかり見ることで、体を大きく使うことができるようになります。腕は、ひじを直角に曲げて、肩の力を抜いて前後に大きくふることを意識してみましょう。

💡「走る、跳ぶ、投げる、歩く」いろいろなスポーツに挑戦して、自分の可能性を広げよう
大切なのは、得意な種目や好きな種目だけやるのではなく、陸上競技の基礎になる「走る、跳ぶ、投げる、歩く」などいろいろな動きにチャレンジすることです。今は苦手だったり、嫌いだったりする動きも、少しずつでも続けていれば、取り組んだ分だけできるようになっていきます。
これは陸上競技に限らないので、ぜひいろいろなスポーツに挑戦してみてください。2024年のパリオリンピックの女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花選手は、中学生の時まで水泳やバドミントンをやっていて、高校に入ってから陸上競技を始めたそう。みんなも今はたくさんのことにトライして、自分の可能性を広げていけるといいですね。
👉チェック りくワンダンス
東京2025世界陸上公式ウェブサイトの「りくワン」特集ページでは「走る、跳ぶ、投げる」といった陸上競技の動作を入れた「りくワンダンス」も紹介しています。

「すごい」を世界共通語の「SUGOI」へ
さて、みなさんも世界陸上や、陸上競技の魅力に、少し近づけましたか?
世界陸上では、大会の理念を伝える「モットー」があります。東京2025世界陸上のモットーは、「Every second, SUGOI(エブリーセカンド スゴイ)」。これは「あらゆる瞬間が『すごい』」という意味で、日本語の「すごい」が世界共通語になる願いが込められています。
公式ポスターのデザインは、「走る」をイメージした生き生きとした人の姿が毛筆で描かれた、日本の伝統美が表れたデザインです。

2021年の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は、新型コロナウイルスの世界的な大流行によって、観客なしでの開催でした。今大会を運営する東京2025世界陸上財団は、「スポーツイベントは、観客がいて、応援や声援があってこそ白熱するもの。今回の世界陸上は、みなさんに参加していただき、大いに盛り上がる大会にできれば」と話しています。

東京2025世界陸上の大会中は毎日どの日に行っても、日本の選手が活躍して、メダルを争う姿が見られそうです。世界最高レベルの陸上競技大会を、直接見る機会はなかなかあることではありません。
みなさんも、国立競技場に行って、世界陸上を実際に見てはいかがでしょうか。一緒に応援していきましょう!
👉 世界陸上の情報は東京2025世界陸上公式ウェブサイトをチェック

📢 お知らせ 国立競技場でアスリートたちの奇跡を目撃しよう!
東京都では、迫力満点の会場で東京2025世界陸上を観戦してもらえるよう、こどもと保護者をあわせて約4万人を観戦へ招待する予定です。みなさんにも会場で選手たちを応援するチャンスがあるかもしれません。6月頃から募集を開始する予定ですので、ぜひ楽しみにしてくださいね。
詳しくは、スポーツ東京インフォメーションで発表します。世界陸上についてのいろいろな情報を紹介しているので、ぜひチェックしてください。
取材協力=公益財団法人東京2025世界陸上財団、東京都生活文化スポーツ局(令和7年4月1日から東京都スポーツ推進本部)

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