知る・学ぶ
2023年5月号
東京島しょ地域の「天然記念物図鑑」
東京島しょの島々のなかでも小笠原諸島は、約4800万年前に島々がうまれてから人間が住む陸地と一度も陸続きになったことがありません。そのため海を越えて島にたどり着いた生きものは、独自の進化をしました。その結果、小笠原にしかいない生き物「固有種」がたくさん生息しています。数の少ないものも多く、国はこれらの貴重な生き物を保護するために「天然記念物」に指定しています。
しかし、こうした生き物は今、危機に瀕しています。人によって持ち込まれた「外来種」が、固有の生きものに大きな影響を与えていることが問題になっています。小笠原に生息している生物はすべて、ひとつひとつが小笠原の自然を支える大切な役割を担っているため、そのひとつでもかけることは森の衰退につながります。
すばらしい自然と独自の生態系をもった小笠原諸島を未来に引き継いでいくために、私たちはどんなことができるでしょうか。小笠原の森をのぞいて、考えてみましょう。
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オガサワラオオコウモリ
小笠原 に昔から住んでいる、唯一 の哺乳類 。 -
オガサワラノスリ
小笠原 唯一 の猛禽類 (タカの仲間 )で、立派 な足の爪 で獲物 を捕 らえます。 -
メグロ
小笠原 のなかでも母島にしかいない固有種 。 -
アホウドリ
体重5キロにもなる
大型 の海鳥。大きな翼 で風をとらえ、長い距離 を飛行 することができます。 -
アカガシラカラスバト
カラスのように黒い体と、赤い頭が
特徴 。 -
オガサワラタマムシ
全身が
金属 のような光沢 のある緑色で、ほっそりとした体をしています。 -
オガサワライトトンボ
オスは
腹部 と尾端 部が、小笠原 の海を思わせるようなコバルトブルーをした、小型 のトンボです。 -
カタツムリの仲間(小笠原諸島産陸貝)
小笠原 諸島 の動物たちの中で、長い時間をかけてたくさんの種類 に分かれたのがカタツムリです。 -
オガサワラオカモノアラガイ(小笠原諸島産陸貝)
水分をたくさん
含 み透 き通 ったゼリーのような体が特徴 です。